これからも君と話をしよう

一度はここから離れたけれど、やっぱりいろんな話がしたい。

この本がすごい!2023年 ノンフィクション編

 昨年2023年は、2021年に次ぐ「友人の出版」の当たり年で、たくさんの友人の本を読む機会に恵まれました。中には、夫婦で同じタイミングで出版が決まった人たちも!

 そのほかにもたくさんの本を読んで、良かった本をなかなか絞りきれなかったので、20冊ほど紹介することにしちゃいます!

20位 喪の日記

 この本は、「本の読める店 fuzukue」というブックカフェで見つけて読みました。

(この「fuzukue」もとてもユニークなシステムで素敵なお店だったんですが、これについて書くとそれだけで1記事分になってしまうので割愛)

 この本は、哲学者のロラン・バルトが、母親を亡くした時の心情を綴った日記。

 まるで、詩集や合唱曲の歌詞を読んでいるような気持ちになった1冊。学術書の出版社として有名な、みすず書房の本といえど、日記・散文なので比較的短時間で読めてしまいました。

 はたして原文はどのようなものだったのかが気になるフレーズがいくつもありました。私も、母が重い病気となり、余命宣告されたときのことを思い出してしまったり、自殺未遂をしている友人のことも脳裏にチラついたりしてしまったりも。

 解説の、この日記が公開されるに至った経緯も、興味深く読みました。

19位 不倫―実証分析が示す全貌

「不倫」そのものを考察した本というより、「不倫」をテーマに行った学術調査の手法そこから読み取れる内容の考察その限界についての本でした。

 ゴシップ的なテーマであり、学問的な読み応えもある、非常に示唆に富む一冊。どういう人が不倫をするのか、どういう理由で不倫をするのか等、よく言われている俗説を裏付けるような実験結果もあれば、意外な結果だったものや、今後の調査に期待したいものも。個人的には、著者たちが私と年が近いことや、著者たちの本来の専門の内容は不倫とは全く関係ない学問分野だったことにちょっと驚いてしまいました。

 また、姦通罪の歴史についても、興味深かったです。

18位 敗戦と赤線

 大学時代に地理学専攻でお世話になった加藤先生の本、ずいぶん前の本ですが、ようやく読みました。

 夜の店についても地理やまちづくりについてもどちらも興味があるので関心を持って読んだものの、戦後の歴史の話が中心で、なかなか入り込めなかった……というのが正直なところでした。赤線と青線、私娼街と遊郭の違いなど色々出てきたものの、どうにも、その違いを見出すことの意味を感じられず……。織田作之助の作品が出てきたのはニヤリとしてしまったりも。

 あと、9年前に墨俣に行ったことがあるので、そこが花街だったというくだりも興味深く読めました。また、金津園や、沖縄の歓楽街の歴史については面白く読みました。

17位 すごいゴミのはなし ゴミ清掃員、10年間やってみた。

 Xでも有名な、ゴミ清掃員をしているお笑い芸人・マシンガンズ滝沢さんの本。

 子ども向けの本ということもあり、平易な言葉で書かれていて読みやすく面白かったです。仕事柄、衛生環境についての内容は気になるので読んでみました。

 ゴミの臭いは水分からくるということ、資源をアジアに輸出しているということ、最終処分場からのゴミ汚染水や下水についての話なんかは知らなかったかも。

 本の中で、「ゴミが日本一少ない都道府県」として挙げられていた県は「物持ちがいい県」ということも聞いたことがあったので納得。終盤の「ゴミとは何だ?」という問いかけとそれを巡るエピソード、そして著者なりの答えも考えさせられました。

 滝沢さんの本は『日本全国 ゴミ清掃員とゴミのちょっといい話』も読んだのですが、こちらは、日本全国の自治体のゴミにまつわる良い取り組みの事例集。こちらも面白かったです。

16位 クマが肥満で悩んでます 動物園のヒミツ教えます

 書店の、動物園関係の本の棚で見かけて面白そうだと思い、電子版で購入しました。

 ゆるいタッチのイラストにほどよいユーモアもあり、とても面白かったです。

 広告業界ではエンゲージメントという言葉があったけど、動物園業界では「エンリッチメント」という考え方があるということを知れたの、勉強になりました。

 動物園の情報もたくさんあって良かったです。何より、首都圏中心のメディア情報が多い中、この本は西日本の動物園を多く紹介しているのも嬉しいです。

 タイトルは、人生相談の名著『オタクの息子に悩んでます 朝日新聞「悩みのるつぼ」より (幻冬舎新書)』を思い出させる感じで、ニヤリとできました(しかし個人的にはあまりしっくりこないタイトルでしたが、こういうのが売れやすいのかな?)。

15位 詩を書くってどんなこと?

 なかなか感想がまとまらなかった一冊。そもそも、何をきっかけにこの本を買ったのかもよく覚えていません。

 詩集ではなく「詩についての本」は、2017年に読んだ『今を生きるための現代詩 (講談社現代新書)』以来かも知れません。

 感想も書いています↓

www.wuzuki.com

 中学生との質問のやりとり、というカタチで「詩とは何か」「詩を書くとはどのようなことか」「詩集を編むとは」「詩を贈ることとは」といった内容が展開されていきます。

 詩人のエピソードや、詩の引用もいろいろ出てきて、知らない世界をいろいろ垣間見ることができました。子ども向けに書かれた本ということもあり、全体的に抽象的で、問いも比喩も「若い人が、多様な解釈で読めるようになっている」ように感じました。なんというか、この本そのものが詩のようにも思えました。

14位 社会を変えるスタートアップ

 タイトルと帯に惹かれて手に取ったところ、著者も同い年ということもあり、親近感を持って購入しました。

 障害者雇用の歴史や国ごとの特徴、著者の経歴とスタートアップ創業エッセイ、ESG投資やインパクト投資の話……など、内容は多岐にわたっていたものの、ややとっちらかった印象がありました。なんというか、学術書とビジネス書がくっついたような感じです。

 生きづらさの問題や社会起業の話というより、この著者の事業についての説明の概要・ダイジェスト版、という位置付けの本のように受け取りました。期待していた内容とは違ったけれど、それなりに読み応えがありました。

 著者の部活のエピソードからは、この人ならそもそも何をやっても成功するだろうな、という印象を受けました。

13位 〈性〉なる家族

 アダルトチルドレンや「生きづらさ」に関する著作が有名な、臨床心理士信田さよ子先生の著書。この本は、著者の臨床経験から基づいた論考集となっています。1編が短いので、重い内容が出てくる割には読み進めやすかったです。

「断罪すること」が苦手というくだりには共感したり慎重な姿勢に好感が持てましたし、母親のワンオペ育児と父親の性虐待についての考察も一理あると思えました。また、母から息子への性虐待についてや、「近親相姦」という言葉に潜むもの、「性虐待加害者はペドフィリアなのか?」という問いについての著者の答え、「本能」を「原子力」に喩える違和感、子どもができることは「中動態」であるということ、日本では家族による殺人は増えていることについてなどなど、私の関心を掻き立てるエピソードも多数出てきました。

「これは本当にそうなんだろうか?」と思える部分もないわけではないものの、それを差し引いても、多数の臨床経験から見えてきた様子には学べるところが多々あると思いました。

12位 仁義の報復

 1993年頃に発覚した「埼玉愛犬家殺人事件」で殺されたヤクザの、「親分」にあたる元ヤクザの人が書いた本。

 6年ほど前、著者のインタビュー記事を読みこの本を買って半分ほど読んでいたものの、ヤクザのしきたりや容疑者たちへの悪口に疲れて読むのを止めていました。

 先日、久々にこの事件を思い出す機会があったのをきっかけに一気読み。途中からは、敵討ちを企むヤクザものとしてハラハラしながら読むものの、どうなるかの結果は知っているので切なくなりました。

 関根はバイト代を払わない、バイトの少女たちに手を出す、犬たちへの虐待なども行っていたらしいですが、他の事件があまりにもひどすぎて、これらが霞んで見えてしまいます。

 また、この本からは、秩父やサンカの歴史について垣間見ることができたのも興味深かったです。

 

 ……ちなみに関係ありませんが、事件があったペットショップ跡地に昨年、行ってきました。

 

11位 射精責任

 衝撃的なタイトルで話題になっていた本。正直、本編より、齋藤氏による解説が多様な問題点についてまとめてあり読み応えがありました。注釈で参考文献が多々挙げられているのも良いなと思いました。

 本編で一番驚いたのは、膣外射精を避妊として推奨していたこと。私が中学時代に読んだ性教育の本では「ガマン汁にも精子はいるので、いわゆる外出し、膣外射精は避妊にならない」と書かれていたので。(ただ、この『射精責任』でも「しないよりは効果的」くらいの扱いではあるようでした)

 また、子育ての支援が不足していることについても触れられており、そこは米国でも日本でも変わらないんだな、と思いました。そして、本文の中にあった「中絶できる州に住んでいるか」という言葉が出てきたところも、日本にはない視点で印象深かったです。

 

10位 教育大国シンガポール

 友人主催の、著者を交えて行うオンライン読書会の課題図書になったので読みました。

 子どももおらず、シンガポールに縁はない私でも、十分興味深く読めました。

 受験などの競争についてのくだりよりも、メイドを雇うこと移民受け入れ差別についての考え方についてが印象深く、マイクロアグレッションについても再考させられました。「○○人のメイドは賢いから気をつけろ。彼女たちは知恵がついちゃってるから、何をするかわからない」と、「賢い、知恵がある」ことをネガティブに話す人に気持ち悪さを覚えたという著者のエピソードは、私にも衝撃的でした。

 また、「キッズライン事件」のくだりも考えさせられました。営利企業と福祉の相性の悪さや、子どもを守るためにどのようなシステムであるべきか、などなど……。

 また、本書を通して伝わってくる、著者の「子どもを差別の加害者にしたくない」という真摯な姿勢には、とても好感が持てました。

9位 大学教授がマッチングアプリに挑戦してみたら、経営学から経済学、マーケティングまで学べた件について。

 友人がFacebookで紹介しており、テーマが面白そうだと思って読んでみました。

 著者の実体験のルポかと思ったら、そういうわけではなさそう?

 私は主人公と年齢は近いものの、年収があまりにも違うことにやや落ち込んでしまいました。これはどこまで実話なのかは分かりませんが、それだけの年収があってもこんなにもアプリ婚活は男性は苦戦するのか……と思ってしまいました。

 本書に出てくる「アクセス数を上げるための行動」なんかは、Webマーケティングもあり、その点も面白く読めました。

 ラストはどうなるかと思ったら……そうきたか。

 終わり方といい、この本は「きれいな恋愛工学」という印象を受けました。

 ちなみに私は、「恋愛工学」本の感想も、過去にブログに書いてます。

www.wuzuki.com

8位 ことばの発達の謎を解く

言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか (中公新書)』が話題になった、言語発達を専門とする心理学者・今井むつみ先生の本。『言語の本質』を絶賛するツイートがバスっていたとき、私も積読していたものがあったのを思い出し、読んでみることにしました。

 子どもがことばを推測して学んでいくさまは、並行して読んでいた『ブランダム 推論主義の哲学』とも通じるものを感じました。

「チモル」などの造語が出てくるくだりは、村田沙耶香「変容」という小説に出てくる「なもんでいる」という造語のことを思い出します。

 実験内容も、割と納得感あるものが多かったです。思えば、「言葉の推測」という点では、読めない漢字や英単語のときも、へんとつくりや単語の構造で推測するのは私もやっていました。

 ちなみに、村田沙耶香「変容」が収録されている短編集『丸の内魔法少女ミラクリーナ』についての感想、過去のブログで書いてます。

www.wuzuki.com

7位 料理に対する「ねばならない」を捨てたら、うつの自分を受け入れられた。

 2年ほど前、同世代の女性の文筆家の人が紹介していて興味を持ち購入。彼女は料理が好きではないらしいので、この著者もそうなのかな、と思いながら読み始めたけれどそうではなく、著者はむしろ料理や生活の営みを楽しんでいる人でした。

「手抜きの料理、という割に凝ってるな」と思ったら、著者は阪神淡路大震災のときに高校生だったそうなので、世代の違いかもしれません。

 そして、うつの著者を支える旦那様はまさに、卑近な言い方をすると「理解のある彼くん」だなぁ、と皮肉なしに思いました。周囲の人に対する反省や感謝も丁寧で好感が持てます。また、フェミニズム料理研究家の比較についても、興味深かったです。

6位 朱里。

 2年ほど前から友人に誘われてプロレスを観にいくようになり、昨年は女子プロレス団体「スターダム」の、ファンブックまで買ってしまいました。

 こちらは、スターダムの朱里選手のエッセイ。試合を何度か観て彼女を知り、ファンブックで私と同い年だということを知って親近感が湧きました。同い年なので、小学生の頃に流行っていた芸能人得意科目のエピソードは特に面白く読めました。

 出会い系の「スタービーチ」は私も高校生頃に存在を知ったけど、中学生でそういうところを覗いてた子は首都圏では多かったのかな? なんてことが、読んでいて気になったりもしました(笑)。

 プロレスと格闘技、私の中では同じようなものかと思ってたけど、だいぶ違うものだということをこの本を読んで実感。そして、朱里はすごく努力家で真面目なんだな、と胸を打たれました。お母様の件は胸が痛くなります。

 この本を読んでからは、スターダムは観に行けていないのですが、またスターダムを観る機会があれば、次は朱里により注目したいと思いました。

5位 水道を救え ―AIベンチャー「フラクタ」の挑戦―

 ご存じの方もいらっしゃるとは思いますが、私は下水道に関連する土木技術の情報誌の仕事をしており、上水道についての情報も見聞きするので、この本は大変興味深く読みました。

「コンセッション」については、この本を読む半年前に私も調べていたところなので、ニヤリとできた部分も多々ありました。また、上下水道の本、というと、自治体の上下水道課など、お役所でお堅いイメージがあるところですが、この本は「公共インフラのメンテナンス」の話としてだけでなく、「さまざまなビジネスを手掛けたベンチャー社長の体験記」としても、とても面白かったです。

 アメリカやイギリスのマインドの違いは、特に面白く読めました。そして、ビジネスモデルや人口の密集度によるコストの違いも勉強になります。

 余談ですが、私の勤め先で手掛ける某雑誌でも、このフラクタのプロダクトを(簡易的にではありますが)紹介してる記事が載ったことがあり、編集作業中はニヤニヤしてしまいました(笑)。

 あと、この本では、上下水道の工事を意味する「敷設(ふせつ)」という単語は「布設」表記で統一していますが、私のところでは「敷設」で統一しているので、その違いにも面白さを感じました。

4位 ロンドンアドベンチャー通信

 2012年頃からTwitterを通じて仲良くなった同い年の友人・スギモトマユちゃんの初の単行本!

 ワーホリのビザの取り方や、ロンドンの文化や気候について、分かりやすく可愛い漫画でとても読みやすく読み応えもありました。

 映画館の特徴や文化の違いなど、彼女の好きなものならではの記述も充実していて面白かったです。

 また、英語など語学の学び方に関しても参考になり、ロンドンに行かない人にも役立ちそう。(そういえば、今井むつみ先生の本を知ったのはマユちゃんの投稿がきっかけでした)

 私も高校の修学旅行でロンドンに行ったことはあるものの、もっと勉強してからイギリスに行くべきだったな、と今更思ったりもしてしまいました。

 最後に載っている、ハンガリーの医学部のエピソードは、noteで公開されているのを読んだ時からとても好きです。

note.com

3位 千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話

 洋画好きの私の彼氏の繋がりで紹介してもらった鉄腸さんが出版したということで読んでみました。

 病気のため引きこもりがちで、本を読んだり映画を観たりするしかなかったけれど、ひょんなことからルーマニアの作品に魅了されルーマニア語を学び、ルーマニアどころか海外に行ったことがないのに現地で作家になってしまった……という人生をユーモア混じりに綴ったエッセイ。

 読みやすい、まるで友達としゃべっているかのような文体で一気に読めてしまいますが、中身は濃厚。語学、文学、映画、フェミニズム、病気との付き合い方、SNSの活用法など話題が多岐にわたっていて読み応え抜群です。

 漫画「BLEACH」など馴染み深いタイトルも出てきて楽しく読めます。

 個人的に驚いたのは、エリアーデの本が紹介されていたこと。『聖と俗 〈新装版〉: 宗教的なるものの本質について (叢書・ウニベルシタス 14)』を10年近く前の読書会で読んだことがあり、そこくらいでしか見たことない名前だったので、まさかこんなところで名前を見るとは、と驚きました。

 

 ここ数年、本を出した友人がとても増えましたが、一番ブレイクしたのは鉄腸さんだろう……と友人たちのあいだでは言われていたりします。

nikkan-spa.jp

2位 日本一長く服役した男

 この本の著者の一人の杉本宙矢くんは、私とは2013年からの友人。Ustreamを使ったネット番組作りのコミュニティで知り合い、現在はNHK記者としてさまざまな記事を手がけています。

 そして、先ほど紹介した『ロンドンアドベンチャー通信』の著者のマユちゃんとは夫婦です。夫婦で同じ年に商業出版デビューした友人って初めてかもしれない。(マユちゃんのコミックエッセイにもイラストで宙矢くんは出てきており、こちらの本の謝辞にもマユちゃんの名前があり、どちらも読んでいてニヤニヤしてしまいました)

 この本はタイトル通り、日本で一番長く服役した人が出所してからの様子を取材したもの。友人の著書ということで読み始めたものの、純粋に内容に惹き込まれ一気読みしてしまいました。服役や懲罰そのものというより、メディアのあり方について多方面から再考させられました。

 また、私は個人的にも、いろいろな事件について調べることが好きなので、プロのジャーナリストはどのような内容を手掛かりにどのような点に留意して取材をしているのか、というところも勉強になりました。本のあちこちに大量の付箋を貼ってしまいました。

 終盤には、思わず涙。61年もの月日で流れ落ちるもの、人間の認知機能、被害者遺族と加害者をそれぞれめぐる取材……。「人生って何だろうな」ということに、読んでいて随所で向き合わされました。

1位 人生はそれでも続く

 ものすごく、ものすごく好きなタイプの本でした。

 こちらは、2020年から始まった読売新聞の連載「あれから」の内容をまとめたもの。「昔、あの事件で話題になった人は今、どうしているのか」を取材した内容。

 近年話題になった人だと、「王子様」と名付けられた男性が改名したエピソードなどが有名かと思います。

www.yomiuri.co.jp

 連載記事のときにネットで読んでいた記事もありましたが、想像以上に私にドンピシャな内容でした。

 誤解を恐れずに言えば、私はいろんな事件を調べるのも好きで、人生を「物語」として捉えることも好き、社会問題を考察するのも好き、群像劇作品大好きな私にとってはもう、この本はかなり刺さりました。

 近い本としては、同じ新潮新書の『ヤバい選挙(新潮新書)』を彷彿とさせる部分もあります。(この本についてもブログで紹介済みです)

 巻末の、記者のプロフィールの書き方も、本編と絡めた、落語のマクラのような内容でとてもツボでした。また、本文中の写真の配置や記事の締め方も、とてもとても好きです。

 あと関係ありませんが、私が作った曲にも「これから」というものがあるので、「あれから」という連載タイトルも好きだったりします。



この本がすごい!2023年 小説編

 2024年になり、1ヶ月が経とうとしていますね。遅ればせながら本年もよろしくお願いします。

 さて、毎年恒例の「読んでよかった本」ランキング、今回もやってみたいと思います。今回は小説編です。

 

8位 あるいは酒でいっぱいの海

 この本は、フリマで行われていた「本のおみくじ」企画で手に入れました。

 包装紙に包まれ、どんな本なのかのキーワードが書かれたメモだけがついている本の中から選んで購入し、出てきたのがこの本でした。

「短編集」よりも短い、ショートショートがたくさん収録されている掌編集です。

 シュールなものもあれば、ちょっとよく意味がわからないものもあり、時代を感じるものもあり。何かがすごく心に残った……というわけではありませんでしたが、普段読まないタイプの本を読めた、という読書体験も含めて楽しみました。

 

7位 狼と香辛料

 この作品を初めて知ったのは、2007年頃。大学時代、文芸サークルの中でこの作品が流行っていたときは、経済学がテーマなんて難しそうかも……と思って敬遠していたものの、2021年頃から経済学クラスタの人たちと関わる機会が増えてきたので、改めて読んでみることにしました。

 銀貨の取り引きの駆け引きなど少し混乱したものの、難しさに挫折するようなこともなく、普通に面白かったです。現代日本とは違う世界や時代を舞台にした小説もたまには悪くないな。主人公・ロレンスの商人としての姿勢も好きだし、ツンデレなホロとの掛け合いも楽しいです。

 

6位 ウェディングプランナー

 ウェディングプランナーや結婚式についての連作短編集は、飯田雪子『アニバーサリー―しあわせの降る場所 (角川春樹事務所 ハルキ文庫)』、辻村深月本日は大安なり (角川文庫)』を読んでいて、どちらも好きだったのでこの作品も期待して読みました。

 お仕事小説としてはとても面白かったです。個人的には、結婚式に大金をかける必然性をあまり感じておらず、シェアハウスとか公民館とか借りて自力でやるのでもいいのでは、なんて思ってたんですが、この小説を読み、今まで結婚式をちょっとナメてたかも……と思ってしまったりも。

 男性作家の作品ということもあり、女性心理や描写のどこか不自然な感じはどうしても多少は気になってしまいましたが、まぁ作品とは関係ない些末なことだな、と思えるレベル。どのエピソードもどんでん返しが意外性あって面白かった、けど、ラストの主人公の結婚式の展開は、ちょっとあり得ないな……という感じ。まぁ、作品全体では面白かったです。

 

5位 ピュア

 ライターとして10年以上前から応援してた美由紀さんが書いたSF小説、ということで気になって読んでみました。noteで無料公開されたことが話題になった時期もありましたね。

「妊娠するためには、男たちを文字通り食べないといけない世界」という設定は面白いし、フェミニズムとSFの親和性の高さを感じて、「こういうのもアリなのか」と新鮮ではあるものの、「遠い未来」という設定なのに現代日本人っぽい名前や「スタバ」などの固有名詞が出るのは(わざとだろうけど)違和感あるし、「男の欲望」も、表題作と最後の話だけは世界観として通っているけど、そのほかは「現代の現実」と変わらなさそうなのも勿体ないな、と思ってしまいました。

 なんというか、主張したいテーマが先行して世界観が後付けな印象。類似テーマの作品では、坂井恵理ヒヤマケンタロウの妊娠 (BE・LOVEコミックス)」とか、村田沙耶香作品のほうが世界観も物語としても上手いな、と思ってしまいました。

 美由紀さんの作品は、全て読んでるわけではありませんが、フィクションよりもエッセイのほうが私好みな感じがします。

 

4位 ハピネスエンディング株式会社

 ネット上でも有名な、マーケターで文筆家のトイアンナさん(id:toianna)初の小説。毒親がテーマということで少し身構えてしまいましたが、テンポが良くてすんなり読めました。さらりとした筆致で、虐待描写にもあまり引っ張られずに済みました。冒頭にフラッシュバックへの注意書きがあって覚悟したけど、あれはそういう事例だったのか……。

 大学生らしいインターンの描写や、会社経営者の女性なども出てきて、トイアンナさんらしさを良い意味で感じる部分もあり、楽しめました。そもそもこの作品、タイトルも表紙も、「毒親」がテーマとは思えないポップなものにしているという配慮も良いですね。

 毒親たちと、主人公・智也たちの「いい親」の対比がやや極端というか、実際はもっとグラデーションだよね、と思う部分はありましたが、これくらいのほうが物語として刺さりやすいのかもな、と思いました。そして作中に出てくる事例は、丸々実話というわけではないんだろうけれども、トイアンナさんが見聞きした事例なんだろうと思うと頭が下がります。メンタルヘルス面でも興味深い描写のある作品でした。

 

3位 悩み相談、ときどき、謎解き?

 好きな作家の本と間違えて購入したものの、連作短編集になっていて意外と面白かったです。最初のほうの心理描写はどうにも不器用さというか、表現の荒さがやや目立っていたけれど、読み進めていくうちに気にならなくなってきました。

「占いで降りてくる言葉を使う」のは謎解きとしてはズルい感じがあるけど、物語を引っ張るアイテムとしては見事。これってラノベなのかな?と思ってレーベルを確認したらメディアワークス文庫でした。大人の女性ためのラノベ、という印象の本でした。

 10年前の作品なので、赤外線で連絡先交換する描写が出てくるのも印象的でした。作者は私と同じ魚座ということも、少し親近感を抱きました。

 この本はシリーズとして続編も1冊だけ出ているようで、こちらも読み途中です。

 

2位 空芯手帖

 こちらも「本のおみくじ」として手に入れました。

 著者とほぼ同い年ということもあり、「同世代の女性の作品」という点からも面白く読めました。職場でブチ切れて「妊娠しているフリ」をすることから始まる物語、という設定がまず面白い。

「30代の独身」ということで主人公に親近感を持った部分もありつつ、今どきこんな古臭い会社ある? という気もする部分も。主人公を気にかけてくれる、少しズレている男性社員の東中野さんと何か起こるのかと思いきや、そうきたか……という展開にびっくり。

 そして終盤、あれっ? と思ったものの、さらに読み進めて安心。どう終わるのか読めず、予想していた展開とは違う感じだったけど、読後感は軽い痛快さもあっていい。

 装丁も可愛くて好きです。そして、主人公の職場とかけたタイトルも上手いな、と思いました。

 

1位 雨の日も神様と相撲を

 梅雨の時期に読めてよかった作品でした。

 推理要素と非現実的な要素が絡まり合う感じは、さすが「スパイラル ~推理の絆~ 1巻 (デジタル版ガンガンコミックス)」「虚構推理(1) (月刊少年マガジンR)」の原作者という感じ。カエルや相撲についての情報も本格的ですごい。何をどうやったらこの話の発想にたどり着くのだろう。

 主人公の少年・文季も、ヒロインの真夏も可愛いし、同級生たちも親族もいい味出していて好きです。私も中3になる前くらいに転校したので文季に親近感を抱きました。

 ミステリ要素も面白かったです。オチは、倉知淳作品を思い出しました。

 あと、作中では「スマホ」でも「ケータイ」でもなく「携帯端末」という表現が使われていたのも印象的でした。

 

 ……いかがでしたか?

 次回は、ノンフィクション編をお届けする予定です。

 

私にとっての「今年の漢字」2023ver.

 今年はなんというか、あまりまとまりがない1年だった気がします。昨冬は何したっけ。初詣は2年連続で大宮氷川神社に行ったり、映画「かがみの孤城」「RRR」とかを友達たちと観に行ったりもしたっけ……。

 

 今年は、やりたいことを詰め込んでみたら思ったより色々できたことがある一方で、なかなか結果が出ないものもありましたが、「努力の方向性が間違っていないもの」に関しては結果は伴ってくれた気はします。

 

 たとえば、3月にメンタルヘルス・マネジメント検定」のII級に再挑戦したのですが(2021年11月に初挑戦して落ちていた)、勉強は「空き時間に問題集を、テキストを読みながら解いてみた」くらいだったので、本番ではなかなか歯が立たず、当然のように落ちました。

 しかし、「勉強のやり方を見直そう」と思い、テキストを読んだ上で要点をまとめ、問題集を何種類か解き、趣味の読書も少なくして勉強の内容に集中した結果、11月の試験では見事、合格することができました!(ギリギリではありましたが……)

 

 あと、朝日新聞が運営するエッセイ投稿サイト「かがみよかがみ」が年齢制限なしのエッセイコンテストを開催していたので応募してみたところ、見事、採用されてAmazonギフト券をいただくことができました。

https://mirror.asahi.com/article/14992196

 しかもしかも、採用作品の中でさらに「かがみすと賞」の「次点」にも選んでいただき、ZINEとステッカーを記念品としていただきました。

https://mirror.asahi.com/article/14998640

 スポンサーリンク

 

 

 

 あと、結果が出たこと、といえば。私は今年の2月頃に人生最大級の体重になってしまったんですが、ダイエットのやり方を根本から変えた結果、1ヶ月で5kgほどストンと落ちましたね。(痩せてほしくないパーツまで若干痩せてしまったので、メリットばかりでもなかったのですが)

「勉強・努力不足だったもの」と「やり方が遠回りだったもの」を見分けて取り組むことができたのは、私の中ではそれなりに大きな自信・財産になった気がします。

 

 そうそう、今年は美容関係に、過去最大級にお金を使った気がします。

 まつげパーマやジェルネイルなども、生まれてはじめて挑戦しました。

 髪質改善トリートメントにも行ってみたり。

f:id:wuzuki:20231231234430p:image

 

 あと今年印象的だったことといえば。秋に「大型犬カフェ」や「サモエドカフェ」に遊びにいき、大きな犬たちと触れ合えたこともとても印象的でした。

 犬は頭もよく、人とコミュニケーションがしっかり取れ、「こちらが向けた愛情を返してくれる存在」だということの片鱗を、少し感じることができた気がします。

 



 まとまりがないですが、今年は、

かがみの孤城」を観たり、美容に課金し鏡を見る頻度が増えたり、愛情や努力を向けたらきちんと返ってくることを実感したことなどから、

 

「鏡」

に、したいなと思います。

 

 ちなみに、今までの「今年の漢字」はこんな感じ。

2006年 諦(受験で諦めるものが多かった)
2007年 再(再会、再開、再履修。笑)
2008年 文(文芸部に加入)
2009年 人(新しいバイトやビジコン参加で出会いが増えた)
2010年 会(Twitterでさらに出会いがたくさん)
2011年 繋(東日本大震災、友達同士をたくさん引き合わせた)
2012年 動(引っ越しや就活や旅行での移動)
2013年 交(みんなより少し遅れて社会人に。いろんなひととの交流が増えた)
2014年 焦(結婚や独立する友達への焦り)
2015年 (結婚話が破談、引っ越し、家族とのあれこれ)
2016年 (旅行、身近な人の独立、訃報など)
2017年 (ものづくり好きな人との交流、同人誌やハンドメイド)
2018年 (脱毛、献血、親知らず抜歯など)
2019年 (転職や営業の仕事で「選ばれること」を意識)
2020年 ベトナム旅行、新潟の人たちとの縁)
2021年 (水商売と下水道)
2022年 (21世紀の道徳、和歌山)

 それではみなさま、良いお年を。

 

 スポンサーリンク

 

 

 

誰も教えてくれない! 同棲と結婚のギモンあれこれ

 11月下旬を迎え、今の彼との交際期間もようやく1年経過となりました。

 夏には彼の実家に泊まらせてもらい、とても良くしてもらいました。

 遠距離恋愛中の彼とのあいだで「今年度中には一緒に住もうか」なんて話も出ているところです。

 ……が、私は今まで、家族以外の誰かと同居した経験はナシ。

 同棲については、みんな何をどこまで考えているんだろう? どうやっているんだろう? と気になることがたーーーくさん。。。

 そこで…………同棲や結婚についての諸先輩方、皆さんのお知恵をどうか拝借いただけないでしょうか。

 ちなみに私は34歳都内在住会社員(リモート無し)、彼は関西在住40代前半フリーランス、です。

 写真は、指輪……ではなくただのブレスレット。

ギモン1.「同棲は期限を区切ったほうがいい」というのは本当?

「結婚を考えての同棲なら、ダラダラ一緒に住み続けるのではなく期限を決めたほうがいい

「期限が来て、結婚はまだしないことにした場合でも、お付き合い自体は続ける場合、ダラダラしないために同棲は一旦解消したほうがいい

……という話をいろんな人がしているのを見聞きしたことがあるのですが、これは実際のところ、どうなんでしょう? 皆さんはどうでしたか?

ギモン2.「同棲の期限」を決める場合、どのくらいの期間が適切?

 例えば「3ヶ月」なのか「2年」なのかでも、暮らし方も家の決め方も大きく違ってくると思うんですよね。

 年齢やライフステージ、物件の事情によっても違うかもしれませんね。「大学卒業まで」とか「次の更新まで」とか……。

 まぁ、私も彼ももういい歳なので、あまり長々と「(結婚していない)同棲期間」を続ける必要もないかな、とも思います。皆さんはどうでしたか?

ギモン3.「短期間の同棲」の場合、どうやって物件を見つける?

 これ、とても気になってました。3ヶ月だけ同棲用の物件を借りる、などの話は聞いたことがなかったので、みんなどうやって同棲してたんだろう、って。

 不動産関係に詳しい友人曰く、「物件を借りるときに相談したら、短期間でも借りれるところはあるよ」とのことでしたが、そういう借り方をしてた人は私の周りではいなかった気がします。

 家具とかも、短期間の暮らしのためだけに用意するのも大変そう。

 マンスリーマンションを借りる人もいるのかな。

 知人たちの場合では、

「シェアハウス暮らしだったパートナーが、私の単身用物件に転がり込み、しばらくはそのまま暮らした」という人や、

Airbnb(エアビー)で家を借り、そこで1ヶ月だけ暮らした。家具もついてて便利だった」という人もいました。

(前者の場合だと、単身用物件に2人で住むのは家の契約によってはルール違反になると思うので、要注意ですね)

 

 あと、(私たちの場合だと関係ないのですが)もともと単身暮らし同士のカップルだった場合、同棲中は「単身で住んでいた家」は残したままか、解約するのか、どちらかの家に転がり込むのか、そこらへんどうしてるのかも気になってました。

 

 最近は「おためし同棲」というサービスもあるみたいですね。

www.sumyca.com

ギモン4.どこまでの将来を考えて住むところを決める?

 将来的には結婚・子育てをすることを前提としての同棲の場合、「どこまで」の将来を見据えて住むところを決める方が多いんでしょう?

 まぁ、勤務先への通いやすさは前提として。

 やっぱり保活のしやすさは大事? そういえば数年前「□□区は保育園多くて入りやすいけれど、■■党系の保育園が多い」って聞いたことがあったな。ただ、数年前の話だし今はもう状況は違うかもね。

 保活に限らない妊娠・子育て支援も気になるところ。「○○市の妊娠・子育て関係の支援は微妙に使いにくいものばかり。やっぱり都内に住めば良かったかな」って言ってた人もいました。そのあたりも同棲段階で意識しておいたほうがいいかな? 妊娠してから引っ越すのも大変そうだし。

 子どもの教育関係の環境、学区の治安も大事かな。ただ、今の段階でそこを意識するのはさすがに早すぎるかな。

 そもそも私たちもいい歳なので実子を授かれるかどうかも怪しい。不妊治療に手厚い自治体に住むべき? ◎◎区は手厚いと聞くけどさすがに家賃が高いな……。

 実家や義実家が近い場合は、それらとの距離はみんなどれだけ意識したんだろう?

「お互い首都圏が実家なので、両方の実家の中間地点のエリアにした」って知人もいたような。

「両親・義両親じゃなくても、関係が良好なら、親族の家から近いに越したことはない。何だかんだ、かわいい孫・甥っ子姪っ子パワーは強い。友達よりも親戚のほうが、子どもを預けたいときは頼りやすいよ」という人もいましたね。

 

 あと、物件そのものもどう選ぼう。

 知人には「同棲段階で、部屋が多い物件に住むことにする。趣味関連のものを置いて、子どもができたらそこはのちに子供部屋にする」という人もいたような。

 それとも、できるかどうかもわからない子どものことは、とりあえずはまだ考えなくてもいいかな……?

ギモン5.寝室はどうする?一緒?別? ベッドにする?布団にする?

 寝室はパートナーと一緒にしている人と分けている人、どちらが多いんでしょう?

 私のまわりだと、分けている人が多そうな印象です。

「旅行に行ったときにパートナーのイビキがうるさかったから、同棲したら寝室は別しかありえないと思った」なんて人もいましたね。

「寝室を最初から一緒にしていると、何かのタイミングで寝室を分けることになった際、それが、関係が壊れる致命傷となりそうなのが怖い。なので寝室は最初から分けてる」という考え方も聞き、これには「なるほど」と思ったり。

 あと、「寝具はベッドではなく布団にして、パートナーとくっつけて眠る日もあれば別々に寝る日もあったり、その時々で変えられるようにしている」という人たちもいて、これはこれで面白いかも、って思いました。

 

(……まぁ、訊いておいてアレですが、寝室に関しては、私と彼は別にすると思います。睡眠時間や働き方、眠りやすい・起きやすい状態が私たちはそれぞれズレがあるので)

 スポンサーリンク

 

 

ギモン6.冷蔵庫はどうする? 大きなものを買う? 単身用を使い続ける?

 私は2007年に大学進学に合わせて一人暮らしを開始したんですが、そのときの家具や家電、今でも生きてて使えるものが結構あるんですよね。冷蔵庫とかベッドとか炊飯器とか。

 まわりの話を聞いていると、冷蔵庫に関してはいろんな意見を聞いていて、

「マンションの下がスーパーになっているから、そこが冷蔵庫のようなもの。なので夫婦二人暮らしのときは、単身用冷蔵庫を使い続けてた」という人たちもいました。

「義実家が近いので、お裾分けをいただくことも多い。冷蔵庫は最初から大きなものを買っておいたほうがいい。作り置きもできるので結果的に節約になる」という人たちもいましたね。

「結婚後、しばらくは二人で単身用を使っていたけど、3年経ってから大きなものに買い替えた」という人もいました。

 どういう冷蔵庫がいいかは、働き方や食事へのこだわりによっても最適解は変わってくるかもしれませんね。帰りが遅いハードワークな会社勤めなのか、リモートワークなのか、近くのコンビニやスーパー、飲食店事情はどうなのか。子どもをすぐに欲しいかどうかでも変わってくるかな?

ギモン7.生理現象、どうしてる? オナラやゲップとか……

 友達に聞くにも聞けないので、カップルや夫婦のブログなどでこのあたりが赤裸々に書かれていると安心できます……(笑)。

「セックスするようになってからは、相手の前で普通にオナラしたり、鼻くそほじったりするのもお互い気にならなくなった」なんて話も聞いたことがあります。

 一方で、家族になってもそこは気を遣って、堂々とはしないようにしてる人もいるみたいですね。そういう関係でも、ついオナラが出てしまった場合は「失礼」とか「オナラ出ちゃった」とひとこと言ってサラリと流してる人もいるようですね。

ギモン8.結婚の書類を出す日はどう決めた?

 法律婚の場合は婚姻届事実婚の場合は世帯合併届を提出する日、皆さんはどう決めました?

 六曜や一粒万倍日、いい夫婦の日、などを意識した人が多いのかな?

 それとも、二人にとって思い入れがある日とか、二人の誕生日の間をとった日とか、オリジナルな決め方をした人も多いのかな?

(彼は数字並びを不吉と捉える人なので、11/22などの数字が並ぶ日にすることはなさそうですが)

 私は、なぜか「災害カレンダーを見た上で決めたいな」という意識があるんですが、まぁ、そんな人は少数派でしょうね(苦笑)。

ギモン9.(日本人同士の法律婚の場合)苗字はどう決めた?

 慣習に倣って男性の苗字にした夫婦が多い印象がありますが、最近は女性側の苗字にした夫婦の話も割と聞くようになってきました。

 ジャンケンで決めたので女性の姓になったとか、結果的には男性の苗字になったけど、決め方としては「珍しいほうの苗字」にした、という人もいるようですね。

 きょうだいの婚姻事情によって決めた、という人もいるのかな。

 ちなみに、私と彼はお互いに「苗字を変えたい」なので(笑)、これを叶えるとしたら普通に事実婚をするのもダメで「お互いに、相手の家と養子縁組をし、事実婚をする」という手順を踏まなくてはいけなくなるようです。成人の養子縁組の手続き自体は楽みたいだけど。

 彼の苗字はやや珍しいものの(西日本に多め?)、読めない名前ではなく、百均にもハンコがあるくらい(認印とインク付き印鑑の2種類がありますが、そのうちの片方にだけあった)なので、そこまで不便そうでもないしこの苗字になってみたい気もしますが、彼のほうが同棲にあたり上京する立場で、仕事の手続きの利便性などを考えると、彼が私の苗字になるほうがスマートではありそうな気がします。

ギモン10.(日本人同士の法律婚の場合)婚姻届の証人はどう決めた?

「友達の、婚姻届の証人になりました」という報告をSNSでしていた知人は二人くらいしか知らない上、結婚の報告の際に「婚姻届の証人は誰だったか」ということまで報告している人もいないので、みんなどうやって決めているのか、ふと気になりました。

 ググったところ、双方の親族や恩師などが多いのかな。親と不仲という人の中には「結婚生活を長く続けている人、長く続けていきそうな人」という基準で選んで依頼をした人もいたようですね。

 

ギモン11.結婚契約書は作った? 行政書士はどう選んだ?

 私のまわりには、結婚といっても「ふつうの法律婚」はせず、毎年の更新制の結婚にしたり、浮気OK婚にしているカップルさんなどもいるようですが、そういう一般的でない夫婦関係を結ぶ場合、結婚契約書を作ってる方々もいらっしゃるようですね。

 そもそも「結婚」の時点で法的契約なのだから、普通の結婚だろうが、何に対して合意をするのかキチンと明確にしておいたほうがいい、というひとも。

 結婚契約書、みなさんは作りました?

「こういうトラブルを避けるために、作ることにした」とか「行政書士さんはこういうふうに探したよ」などの意見があれば、ぜひ教えていただければと思います。

 

ギモン12.引っ越しのタイミングはどう決めた?

 結婚は、転勤や進学や就職と違い、「この日までに引っ越さなければいけない」という決まりもないので、どうすべきか迷ってます。

 一般的な引越し屋さんの繁忙期(3月とか?)に合わせると引越し料金は高くなりそうですが、そのぶん物件も動くので、いい部屋も出てきそうな気もしますね。

 一方で、閑散期のほうが、物件の選択肢は限られるものの安く引っ越しできそうで良さそう。そもそも単身用ならともかく、2人暮らし以上の物件って、引っ越しシーズンになったらグンと選択肢が増える……という感じもなさそうな気もします。

 みなさんは、どのタイミングで引っ越されました?

 

 

 ……以上になります。

 それぞれのギモンについて、皆さんどうだったのか、答えられる範囲だけでいいので、もしよかったらぜひ教えていただければ、と思いました。

 スポンサーリンク

 

 

 

大型犬カフェ「GRAND MOU(ぐらんむー)」に行ってきた

 首都圏にも最近は犬カフェが増えているようですが、いずれも小型犬ばかり。

 大型犬とふれあえるドッグカフェってないのかな……と思って調べてみたところ、こちらのお店を見つけました。

grandmou.com

 

 ちょっと前には、こんな投稿がバズったりもしていました。

 

 調べてみたところ、こちらのお店は予約制で、前日18時お昼12時(※2024年2月1日修正:予約開始時間が変更になっているようです!)より翌日分の予約を受け付けているとのこと。

 9月下旬の土曜日の夜、何気なく予約ページを覗いてみたところ、翌日日曜日の夕方17時半からの枠が1枠、空いていることが判明!

 土日祝日と平日で料金は異なり、日曜だと1時間3,000円以上という、動物カフェにしてはやや高めなお値段ではあります。

 しかし、この「ぐらんむー」は人気店で予約も取りづらいようだったので、行けるうちに行っておこう、と思い、予約を決めました。

 

 翌日、9月の日曜日。16時頃に千葉県松戸市の五香(ごこう)駅で下車し、しばらく歩きます。

 ガスト 松戸五香六実店で軽食を食べて時間をつぶし、17時過ぎに店を出ました。

 そして歩くこと10分、目的地に到着しました。


 17時20分頃。階段を上がり、店の玄関まで入ります。

 同じく、17時半からの予約組と思われる人たちが何組かいました。

 ルール説明や手指の消毒後、いよいよ入店!

 

 まず私のもとにやってきたのは、ゴールデンレトリバーのラスティくん。

 ボールをずっと咥えていました。

 

 夕方だったので、遊び疲れていたのか、眠っている子が多めでした。

 

 しかし、おやつをあげるお客様が現れると、起き出す子も増えてきました。

 

 店内は広くて、奥はドリンクスペースになっています。

 テレビや本があったり、コーヒーや紅茶が出てくるドリンクサーバーがありました。


 オーナーはYOSHIKIさんのファンなんだとか。

 

 スポンサーリンク

 

 

 ぐらんむーのワンちゃんは7頭。この日は1頭お休みの子がいたので全部で6頭でしたが、どの子もそれぞれ違った可愛さがありました。

 

 私が特に気に入ったのは、サモエドのミラクルちゃんかな。


 紀州犬みたいな、立ち耳の白い大きな犬が好きなので、ミラクルちゃんは好みにドンピシャでした。

 毛並みもフワッフワで癒されました。

 

 ぐらんむーの投稿の、こちらの写真もとっても可愛くてお気に入り。

 

 あとは、アラスカン・マラミュートの紅(くれない)ちゃんも可愛い。

 紅ちゃんのことを「ハスキーだ」と言っていたお客様が、店員さんから「ハスキーじゃないんですよ〜。マラミュートって種類なんです」と訂正されていた様子も印象的でした。

 

 1時間はあっという間で、すぐに退店の時間となってしまいました。

 でも、ワンちゃんともたくさん触れ合えたし、店員さんとも色々お話できたので大満足◎

 

 ワンちゃんが眠っていたり、元気だったりはタイミング次第のようなので、また機会を見つけて行ってみたいな、と思いました。

 

 あと、ぐらんむーから北に徒歩7分ほどのところにある銭湯「平和湯ランド」も気になっていたものの、この日は行けなかったので、次に行く機会があれば、ここにも寄ってみたいなと思いました。

spa-tokyo.net

 スポンサーリンク

 

 

 

素敵な接客の思い出(2023年前半)

 近年、心掛けていることのひとつに「店員さんから良い接客をしてもらったら、そのお礼を店舗か本社に伝える」ということがある。

「こんな、素敵な接客をしてもらった」とSNSに書くのも悪くないと思うけど、その投稿を読んでその店に行ったほかの人が私と同じような接客が受けられるとも限らないので、店や本社に感謝の気持ちを伝えるのが一番無難な気がするのだ。

(それに、もし私からの連絡を受けて、その店員さんの営業成績やボーナスに反映されるようなことがあれば、私にとっても嬉しい。私はそのことを知ることはないだろうけど)

「素敵な接客を賞賛することで、過剰な接客を求めてしまうことに繋がってしまうのではないか」という懸念も多少はある。ただ、べつに何かオマケをつけてくれたとか私だけ特別に割引してくれたとか業務外の時間なのに対応してもらったとかそういうことがあったわけではないので、接客で良かったことのお礼を伝えるのは、まぁ「過剰な接客」の助長にはならないだろうと考えている。

 

 今年、お礼メールを問い合わせフォームから送った事例は、2件あった。

 どちらも恋人へのプレゼント関係だ。

 問い合わせフォームに送ったメールを、一部編集してそのまま掲載したい。

 

①ルミネ新宿 マリアージュフレール(2023年2月)

 本日、ルミネ2のマリアージュフレールにて、良い接客を受けることができて嬉しかったので、メールを送らせていただきたいと思います。

 遠距離恋愛中の彼氏が紅茶が好きなので、バレンタインに合わせてマリアージュフレールの紅茶のチョコを買いたかったものの、バレンタイン前に彼に会う機会は今週末しかなく、明日は予定があり買い物する余裕がないので、本日、慌ててルミネ2のマリアージュフレールまで買いに行きました。新宿は私の定期の範囲内ではないのですが、新宿のルミネが遅くまで開いているようだったので向かいました。

 営業時間内になんとか間に合ったものの、一人だけの店員さんは一人のお客さまとずっとお話しされていて、なかなか相談に乗ってもらえそうにない。お客さまも、どうして他の客もいるのが見えているであろう中、いつまでも一人の店員さんを独占し続けてるんだろう。
「そもそもルミネは8年前のCMの炎上でだいぶ印象が悪くなっていてできれば買い物は避けたいと思っていたところだったし、ギフトのために買いにきたのにそこで嫌な思い出がついちゃうのもな……やっぱり、金曜夜に彼に会う前にマリアージュフレールの銀座店に寄ってチョコを買おうかな……」と考えながら、ルミネの他のフロアも見ていましたが、「帰る前にもう一度寄ってみよう」と思い、マリアージュフレールまで戻りました。

 すると、先ほどの店員さんが、「お待たせして申し訳ありません」と、とても丁寧に謝って下さりました。
 店内で商品を見ていただけの、私のことも覚えていて下さったのにも感激しました。
結果、とても良い気持ちで買い物をすることができ、ギフトとして堂々とチョコを渡すことができそうです。
 こういう、良い気持ちになったということもきちんと声として届けたいと思い、お問合せメールにてご連絡させていただくことにしました。
ありがとうございました。

 スポンサーリンク

 

②大丸東京 ポールスミス

 少し前のことになってしまうのですが、素敵な接客を受けて嬉しかったのでお礼を伝えたいと思い、連絡いたします。
 先月、4月6日(木)の夕方、大丸8Fのポール・スミスで、プレゼントとして贈る帽子を買ったのですが、その際に受けた接客をとても嬉しく感じました。(レシートを見ると時間は17:42で、販売員の欄には「●●」様のお名前が書いてあります)

 4月1日、遠距離恋愛中の彼氏と、ふたりの中間地点の浜松で久々に旅行デートした際、彼は、元々持っていたポール・スミスの帽子を無くしてしまい、心当たりのある場所に問い合わせたものの見つからないままでした。
 4月中旬が彼の誕生日で、誕生日前に彼に会う機会があったので、せっかくだしポール・スミスの別の帽子を誕生日プレゼントとして贈ろう、と思い、こちらのポール・スミスを訪れました。
 帽子を被った彼の写真も見せつつ帽子を選んだ際、店員さんたちにも相談に乗っていただき、それがとても嬉しい体験となったので改めてお礼をしたいと思いご連絡しました。
 接客としては、飛び抜けて珍しい提案をしていただいたというわけではないのですが、彼の写真を見せた際も関係性など詮索せず「贈る相手の方は〜」と言っていただいたところにも配慮を感じて嬉しくなりました。
 誕生日前のデートの際に帽子を贈ったところ、どうも、彼が元々持っていた帽子よりも、私が贈った帽子は少しいいものだったらしく「グレードアップした」と言って喜んでもらえたので嬉しかったです。
 私ももういい年になりますが、「恋人へのプレゼント選びを通じて、素敵な接客体験に出会えること」も恋愛の醍醐味の一つなんだな、ということを改めて感じた出来事でしたので、ぜひこの気持ちをスタッフの方にお伝えできれば、と思ってご連絡しました。

 

 スポンサーリンク